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2012.05.14 (Mon)

かあちゃん 重松清著 読書感想文 第五章 トライ

かあちゃん


仕事をしながらの育児。旦那もきちんといる。しかし、母親として育児と仕事を両立させるというのはやっぱり大変で、保育園があってもやっぱりなにかあったときには駆け付けなくてはいけない。


福田先生が今回の主人公。邦彦と同じ職場の教職員だ。邦彦の頼りなさにイライラしてしまう完璧主義の仕事の出来る女性。でも、その立ち居振る舞いも母のサポートなしには継続は難しい。


子育ての難しさ。母親という存在。母と娘。同じ女性だから築ける関係性。それがこの作品には詰まっていました。ひとりの女子生徒の問題を含めて紡がれた育児と母親の関係は母性の強さを感じさせてくれます。


母親がもつあの絶大なる愛情。あれはもう言葉では説明のつかない遺伝子に組み込まれた連綿と続く優しさの布石なのだと感じさせてくれる一編です。



祝!文庫化


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2012.05.12 (Sat)

かあちゃん 重松清著 読書感想文 第四章 ジャンプ

かあちゃん


偉大な母。教職員として数々の歴史を紡いできた母。そして今、息子の邦彦も同じく教壇に立つ身になった。しかし、前年のクラスでいじめ問題を起こし、いま教師としてどのように立ち居振る舞えばいいのか迷走中。


今作はあのいじめの事件の担任を主人公にしたお話です。生徒の前では熱血指導の教師として振る舞っているけれど、その本質はとても繊細な心を持ち、ちょっと頼りない甘さのある教師。


仕事のプレッシャー。これを感じることなく生きるのは難しい。どんな仕事も大変ですが、やはり人を相手にする仕事というのは難しさもまたひとしおだと思います。まして、まだまだ人間形成中の学生を相手にするというのは、その一挙手一投足が相手の人格形成に影響を与えてしまいかねない。


いじめ問題が起こってから、誰を疑い誰を信用していいのか。むしろ誰かを疑ってみなくてはならないことがある不自然にストレスを抱えていた邦彦の苦悩。そしてそれを応援してくれていた母の今の真の姿が描かれると、そこには母と息子の変わることない関係性が描き出されていて、ほんのりと眼尻が垂れ下がってしまう微笑ましさがありました。



祝!文庫化


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2012.05.09 (Wed)

かあちゃん 重松清著 読書感想文 第三章 リピート

かあちゃん


母の介護をする娘。それを助ける孫娘。まさに『かあちゃん』のタイトルにふさわしい設定で始まった三章目は、いじめのあったクラスの女子生徒・千葉が主人公のお話です。いじめに加担していたわけではないけど、見て見ぬフリをしてしまった彼女。そして、実はクロちゃんが好きだったことを知る彼女。


今回はいじめのエピソードよりも母の介護のお話が主体です。コタツが大好きなおばあちゃん。5月になってもしまうことを拒むおばあちゃん。子供回帰の認知症が出ているおばあちゃん。


一心不乱に母の介護をするお母さんは、最近疲れ気味。介護の大変さは介護疲れというものがあるようにとてつもない労力を伴うもの。いっそ老人ホームなどに頼ることも視野にいれて考えたほうがいい状況も、頑なに拒み頑張り続けるお母さん。お母さんがおばあちゃんを想う絆の重さがわかったとき、ほんのりとぼくは眼尻に涙を浮かべてしまいました。


認知症を患いそれでも生きていかなくてはならない状況に、果たして当人はそれを本当に望んでいるのか。それで幸せなのかと常々思ってしまっていたのですが、この物語に触れると当人はどう感じているのか分からないけど、それを見守り支える家族にとって、その人がどんな状況であれ、やはり生きてそばに居させて貰いたいと思わずにはいられなくなるエピソードでした。



祝!文庫化


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