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2009.07.14 (Tue)

見張り塔からずっと 重松清著 読書感想文 その5


あとがきに重松清さんはこんなことを語っていました。


三篇はどれもフィクションだが、ぼくは見張り塔から確かに三つの物語を「目撃」した。かなしい物語ばかり、見てしまった。見張り塔から手をさしのべることはできない、その断念を忘れないようにして三組の夫婦を描いた。


まさにこの心情を読者も抱いてしまう作品になっていました。


この三組の夫婦どれかの友人であっても、決してその運命を変えることのできる手助けは出来ない問題。それがこの小説に紡がれていたと思います。


人は人に影響を与え変えることが出来る力を持っていますが、どうしようもなく根のはびこった問題に対しては、無力すぎるほど小さな存在であると思わされることもあります。


そんな人間のどうしようもないくらい愛おしい存在価値をひとつの徹底した視点から重松清さんはこの小説で語り続けてくれていました。


読後感は決して気持ちのいいものではないかも知れませんが、人の悲しみについて多くを教えてくれた作品のように私は思いました。



「見張り塔からずっと」の読書感想文に最後までお付き合い下さりありがとうございました。




■関連記事はこちら。
見張り塔からずっと 重松清著 読書感想文 その4
見張り塔からずっと 重松清著 読書感想文 その3
見張り塔からずっと 重松清著 読書感想文 その2
見張り塔からずっと 重松清著 読書感想文 その1
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